自然素材の空間は心地いい!
木で囲まれた空間って、ほっとしますよね。山登りやハイキングが楽しいように、自然に囲まれると、とても心地いいものです。
それをぜひ家にも取り入れたい!そんな方にオススメの自然素材の家。
でもそもそも、家って何でできているのでしょう?
日本の住宅の多くは、ズバリ『木造』です。
つまり、自然素材の「木」でできているのが一般的。マンションなどの集合住宅に取り入れられるコンクリート造は住宅で取り入れることも可能ですが
割合としてはそんなに多くありません。
世界的には石や土の家づくりもあるのですが、日本では昔から木造住宅が中心でした。
ではなぜ日本では「木造」が多いのでしょうか?
答えは、日本が木に恵まれた国だからです。日本の国土に占める森林の割合は約70%。日本には昔から木材が豊富に存在し、使用されていました。寺社仏閣の建立がさかんになった時期には、建築技術も高度に発展。木造建築は日本の家のスタンダードになっていったのです。
現在、日本の戸建て住宅の80%以上は木造といわれています。
そのメリットは
・高温多湿な日本特有の気候に適している
・設計の自由度が高い
・他の工法に比べてリーズナブル
など、数多くあげることができます。
「外壁がコンクリートの家もよく見かける」と思う方もいるかもしれませんが、外壁に使われるサイディングは確かにセメントや金属が原料です。しかし家そのものを支える柱や壁など構造は「木」。つまり木造建築なのです。
「木の家を建てるなら、まず山に木を切りに行くところから!」と息巻かなくても大丈夫。
ログハウスみたいな家だけを「木の家」と思いがちですが
日本で家を建てると、多くの場合、自然素材である「木」の家となるのです。
では、自然素材の家とはどういう家を指すのでしょう?
明確な定義はありませんが
「床や壁など、肌に触れる部分に無垢材や塗り壁など自然素材を原料とした素材を使った家」
と考えるとわかりやすいかもしれません。
床の自然素材といえば「無垢材」。無垢材は、丸太から切り出した自然な状態のままの木材のこと。これに対し薄くした木版を接着剤で張り合わせ、ブロック状にした木材のことを集成材といいます。
どちらも木ですし、見た目にはあまり見分けはつきません。
肌触りは自然のままの無垢材の方が、夏はサラサラ冬は暖かい感触で心地よく感じます。年中裸足で過ごす人もいるほどです。
耐久性や品質の安定性、価格面では集成材が使いやすいでしょう。集成材に使われる接着剤はシックハウス症候群の原因となる成分を含むことがありますが、現在は接着剤の安全性も考慮されており、きちんと選べば健康的な商品も数多くあります。
壁の自然素材といえば、こちらも無垢材。さらに塗り壁の漆喰、珪藻土も人気があります。これらの素材は通気性がよく、カビなどの発生を抑えます。これに対し、壁紙は布や紙、ビニールなどの素材でできており、絵柄が豊富でおしゃれ感がアップします。最近では木目調の壁紙は本物と見間違うほどです。ただ通気性はありませんので、自然素材の心地よさに比べると快適性は劣るかもしれません。しかし消臭効果・防カビ効果・抗菌効果のある壁紙や耐久性に優れた商品も開発されています。
また、価格面では壁紙が安く、住宅の9割が壁紙を使用しているとも言われています。
肌に触れる部分は自然素材がいいと考えると、床は無垢材が選択肢にあがります。壁はすべてが肌に触れるとは考えにくいので、腰壁を無垢材にするという選択もできます。
こだわりすぎると、予算オーバーになりかねませんので
「みんなが多くの時間を過ごすリビングだけ、自然素材を使う」というのもオススメです。
木造建築物の増加は、花粉症対策にも!?
1960年代~1990年代の拡大造林政策により、植林が始まり、現在では日本の森林のうち、スギ・ヒノキの人工林が約3割を占めます。
その多くがスギですが、これはスギが日本国有の樹種で、本州から九州の屋久島まで広く分布し、建築材、家具材、器具材等幅広い用途に利用できるからです。
そして、スギと言えば、「花粉症」!
原因はまだ解明されていませんが、スギの人工林を増やしたことと無関係ではないと考えられており、林野庁では少花粉スギの開発に着手。現在までに、少花粉スギは142品種、無花粉スギも3品種開発されており、花粉を大量に飛散させるスギ人工林の伐採・利用と植替えの促進が実施されています。
つまり、家づくりで国産スギを使うことは、花粉症対策になるかも!!
2010年には
「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が公布されました。
コウキョウケンチクブツトウニオケルモクザイノリヨウノソクシンニカンスルホウリツ
かなり長い名前の法律ですが
英語ではPublic Buildings Wood Use Promotion Act
なぜかこっちの方がわかりやすいですね。
学校や役所など公共建築物に、積極的に木材を利用しましょうという法律です。戦後造成された人工林の本格的な利用時期を迎え、木材需要の約4割を占める建築物における国産材の利用を促すといったねらいがあります。
身の回りを注意深く見てみると、学校や役所などに「木」を使った建物が増えているような気がしますよね。
福岡では小倉合同庁舎、久山町立けやきの森幼稚園、福岡市早良区役所入部出張所など、さまざまな場所に木が取り入れられています。
国土交通省と農林水産省の発表では、国の公共建築物の木造化率は9割(※)になったそうです(※2019年度に国が整備を行った対象となる低層の建築物の木造化率)。
2020年10月には、菅義偉内閣総理大臣により、2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロとする「脱炭素社会」の実現を目指す旨の宣言が出されました。この目標達成のためにも、木をたくさん使った空間は、これからどんどん増えていく可能性があります。
住宅でなくても、木の心地よさに包まれた空間はデザインの参考になりますよね。木材は自由度の高い素材ですので、公共施設などで目にしたデザインを住まいに取り入れられる可能性もあります。
また福岡は『大川家具』という全国有数の伝統的な家具建具産地があり、地元のスギを使った家具を住まいに導入するのも、素敵なアイデアです。
地産地消と花粉症対策!家づくりがいろんな意味で社会貢献につながるって嬉しいですね。
家のお手入れを楽しむ暮らし方
自然素材は、丸太を切り出した無垢材や自然素材を固めた塗り壁など、素材の本来の性能を活かすため防カビ剤やコーティング剤を使わない素材が多くあります。
その分、体に優しく幼いお子様から高齢者まで安心して暮らすことができます。
肌触りのいい優しい素材ゆえ、洗剤を使ってゴシゴシこすったり、水拭きするとシミになってしまうことがあります。日々のメンテナンスはコツがありますが、慣れてしまうと楽しいものです。
例えば
無垢材の床は、から拭きで。気になる部分だけ、固く絞ったぞうきんで水ぶきを。柔らかいので傷やへこみが付きやすいですが、水で湿らせたタオルをあててアイロンがけすると戻ることがあります。また、薄い板を重ねた集成材と違い、木そのものに厚みがありますので、サンドペーパーでこするという補修方法も可能です。
珪藻土や漆喰などの塗り壁は、表面についた簡単な汚れなら消しゴムや水で濡らしたメラミンスポンジで落とすことができます。コーヒーやジュースなどが染みこんでしまった場合は、サンドペーパーでこすって落とします。またひどい汚れやカケや傷は塗り直すという方法もあります。
自然素材に限らず、どんな素材を使っても定期的なメンテナンスは必要です。きれいな状態が長く維持できると、気分的にも嬉しくなり、家の価値も上げることができます。
自然素材の場合は、コツを掴めば自分のやり方がうまれますので、家族で工夫して、取り組んでみましょう。
気がつけば、趣味が日曜大工に、そしてYouTubeでメンテナンス方法を披露する有名人に!人気YouTuberになって、家をもう一件建てました!なんて展開もあるかもですね。
まとめ
無垢材や塗り壁など自然素材の家は、こだわりすぎると考えることがたくさん出てきますが、日本の家は基本的に木造建築。それだけで木の恩恵をしっかり受けています。日本の森を守るため、環境問題にも目を向けながら家づくりを楽しみましょう。福岡南部の家探しなら、エリア特化型のハウスマーケットへ。こだわりの注文住宅から無垢材・塗り壁を標準仕様した手軽な規格住宅の取り扱いもあります。建売住宅、中古住宅やリフォームなどさまざまな家づくりが可能ですので、まずはご相談ください。