ニュータウンとは?団地との違いは?
「ニュータウン」は、そのまま日本語にすると「新しい街」。
それだけでもなんだかわくわくする響きですね。
家探しでは、家という建物はもちろん、周りの住環境はとっても気になるもの。
日本では「ニュータウン」に明確な定義はありませんが、
・多くの住宅が集まる郊外の住宅地
・街の中に広い道路、公園などが整備されている
・公共施設や学校、病院などの施設が身近にある
以上の特徴を持つ街を指すことが多いようです。
「団地」という言葉がありますが、
「ニュータウン」と明確な違いはなく、同意義と捉えることもありますし、
「団地」は同一敷地内に集合住宅や戸建てが建設された場所、
「ニュータウン」は周囲の利便施設まで含めた開発を行った街として区別することもあります。
日本で初めてつくられた団地は長崎県・軍艦島。
1916年に完成した日本で最初のRC造集合住宅で、
地下1階・地上7階。多くの建物がひしめくシルエットが軍艦「土佐」に似ていることで「軍艦島」と呼ばれるようになりました。
ちなみに「団地」は「集団住宅地」の略語。なんだかアイドルグループの名前みたいですね♪
世界のニュータウンの歴史。始まりは社宅?
まずは、「ニュータウン」の歴史を見てみましょう。
英和辞書で「new town」を調べると
「都市の過密化を防ぐために建設された大団地から成る小都市」
とあり、イギリスで産業革命が起きた1800年代にはその原型ができはじめました。
大都市に工場が大量に建造され、多くの労働者がその周囲に移住。やがて資本家は工場と労働者をまとめて郊外へ移転させ、工場と住宅が一体になったような街をつくっていきます。日本の社宅のようなものでしょうか。
例えば、石けんの「ユニリーバ」。
イギリス郊外のポート・サンライトという街は、石けん工場で働く労働者の居住のために建設され、街の名前は同社の製品で一番人気があった『サンライト』という石けんの商品名からつけられたそうです。
このような街づくりは「モデル・カンパニー・タウン」と呼ばれ、資本家が働く場所と住む場所だけでなく、医療施設や学校なども整備していたそうです。やがてその流れが世界に広がり、各地で郊外型の住宅地開発が始まりました。
日本では、明治の終わりあたりに郊外の住宅地開発が始まります。
冒頭で触れた長崎県の軍艦島の団地も働く場所と住む場所、学校や役所などが一緒に開発されたという意味で一種のニュータウンと呼べるかもしれません。また北九州市の八幡製鐵所創設と官舎・社宅開発もそうでしょう。
関東大震災で焼け野原になった東京では、避難民の行き先が郊外住宅地の広がりにつながっていきました。ただし、この働く場所と住む場所がセットになった「職住近接」の暮らし方は、企業の衰退とともに、街の賑わいにも陰りを落としてしまいます。
日本のニュータウンは鉄道など交通網とともに発展
日本の郊外住宅地はもう一つの特徴ある流れとしては、鉄道とセットになった開発が多いということがあげられます。
先ほどの「職住近接」に比べ、仕事と暮らしを切り離すことで、より自由な暮らしを実現することができます。
福岡では大野城市や筑紫野市など南部エリアには、駅の周辺にニュータウンが多く整備され、子育て世代を中心に人気があります。また、駅から離れた場所でもバス路線が充実しているため利便性が高く、さらに市が運営するコミュニティバスが駅や利便施設を循環し、細やかなサービスを提供しています。
近年の日本のニュータウンは、イギリスのように働く場所と住む場所をセットにしたものではなく、都市部への通勤しやすさを考慮して開発されたので「ベッドタウン」という言葉を生み出しました。
朝、パパとママは満員電車に揺られ都心部にある会社へ通勤。子ども達は自然豊かな住環境でのびのび!ママは帰宅後すぐに夕飯の準備、子ども達をお風呂に入れて就寝の準備。パパが家に帰ると家族はすでに夢の中、晩酌のお相手は犬のポチ・・・という日本ならではの情景も、郊外住宅地開発のおかげで生まれてしまったんですね。
とはいえ、
ニュータウンは子育て世代に嬉しいメリットがいっぱい!
・同世代のファミリーが多い
同時期に分譲開始されることが多く、同級生が身近にたくさん。みんなで集団登校したり、家族ぐるみでお付き合いしたり。一生付き合える「幼なじみ」ができそうです
・利便施設が身近に充実
多くのファミリーが暮らすニュータウンの周囲には「大型商業施設」が誘致されるなど、街の発展とともにどんどん周辺の環境も便利になっていく傾向にあります。
・道路や緑地の整備計画
街全体が開発されているため、広い道路やゆとりの緑地帯、公園が整備され、自転車やボール遊びなど、開放的な街並みでのびのび暮らせます。
子育てはもちろんですが、病院や公共施設もほど近い距離にあり、幅広い世代が快適に暮らせる街づくりが行われています。
また「働き方改革」で「長時間労働の解消」が掲げられているため、「働くスタイルの多様化」が浸透しつつあります。
家族とゆっくり過ごす時間が増え、「ベッドタウン」というイメージは、もはや過去のものかもしれません。
まとめ
日本のニュータウンは、都市部への通勤しやすさが前提でした。
しかし、「リモートワーカー」などネット環境があればどこでも仕事ができる時代では、その価値観も変わりつつあります。
「通勤」というアクションがなくなるので、かわりに重視されるのは住まいと住環境。
郊外のニュータウンはますます人気が高まりそうです。
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