中古住宅を購入する前に確認すること
中古住宅の購入は、正しい知識を持っていなければ失敗するリスクが高くなります。たとえば料金と立地を重視して購入した結果、基礎部分がボロボロで修繕に時間がかかり、予定通りの入居が叶わなかった例は珍しくありません。
まずは中古住宅を購入するにあたり、事前に認識しておくべき点、確認すべきことを理解しておきましょう。
購入や修繕の費用
中古住宅の購入でメリットとなることのひとつが、物件価格を安く抑えられることです。しかし、場合によっては新築分譲住宅と大差ない出費となる可能性もあります。
たとえば、修繕費が予想以上にかかった場合です。
中古住宅を購入するときは、資金計画の段階でリフォームや修繕にかかる費用と期間を含めて考えましょう。購入時の費用であげられる項目は、以下のとおりです。
・建物・土地の代金
・諸経費(仲介手数料など)
・リフォーム・修繕にかかる費用
・不動産取得税・固定資産税等
リフォームの中でも壁や水回りは最低限リフォームしたいと考える方は多いでしょう。状態によっては基礎部分や壁などの修繕も必要です。家族構成によっては大々的なリノベーションを検討する方もいらっしゃいます。
ホームインスペクションの有無
中古住宅に住むとなると、入居する前に改修しなければならないことが多いです。建物の状態を把握せずにこの工程をスルーしてしまうと、後から修繕することになった場合、入居前にするのと比べて費用がかかってしまう場合があります。
そうならないためにも、購入前にはホームインスペクションを受けられるかどうかを確認しておくと良いでしょう。
ホームインスペクションとは、住宅に詳しいホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者として住宅の状態を調査し、修繕箇所や欠陥の有無、劣化状況などを診断することを指します。
客観的な診断を受けることで、リフォームすべき箇所が明確にわかるので、しっかり修繕を行った上で安心して住むことができるでしょう。
中古住宅の内覧時にチェックしたいポイント
中古住宅は、新築住宅と異なり現物を直接確認したうえで購入を検討できるメリットがあります。一方で多少のトラブルは「内覧時に確認してもらったはず」と補償を断られるリスクも生じるため、内覧時は隅々まで状態を見ておきましょう。
この項目では中古住宅の内覧時にチェックすべきポイントを、外観と室内の2つに大きく分けてご紹介します。
外観
外観で見るべき点は、屋根・軒裏・外壁・基礎の部分です。また、建物全体の第一印象も意外と軽視できない部分のため、違和感を覚えた物件は入念に不具合がないかチェックしましょう。
中古物件の外観をチェックするときは、主に以下を見ます。
・屋根材のズレ・破損
・塗装の剥がれ
・雨どいの破損
・外壁・基礎部分のひび割れ
・雨漏りによるシミ・腐敗
・壁を貫通する配管のズレ・破損
ひび割れは、経年劣化によって多少はやむを得ないものですが、場所や大きさによっては重大な問題となります。
たとえば窓の四隅はひび割れしやすい部分のため、多少のひび割れは許容範囲として良いでしょう。しかし基礎部分にひび割れが生じていたり、継ぎ目部分に大きな亀裂ができたりしている場合は、建物自体が地面へ沈み込んでいる可能性が考えられます。
特に屋根や軒裏など目線よりも高い位置の異常は見逃しやすいため、意識してチェックしましょう。事前にチェックリストを作成しておくと忘れる心配がありません。
室内
室内は前の住人の使い方次第で大きく状態が変化します。こまめに修繕を行っていた場合も、前の住人が気付かなかった劣化がある可能性も考えられるため、外観と同様に隅々までチェックしてください。
室内部分で見るべきは、天井・床(床下含む)・水回り・電気の配線・壁・戸・窓です。たとえば以下のような異常がないか確認しましょう。
・天井のシミ
・水漏れや配管の詰まり
・戸や窓の開閉
・電気配線の不具合
・クロスや壁の剥がれ
・壁のひび
・床下・柱などの虫害
中には素人目には判断しにくい不具合もあります。電気配線や床下の状態などは、不動産会社など専門家でなければわからないでしょう。
購入前にホームインスペクションを依頼することをおすすめします。事前に不具合の有無や状態を知ることで「購入しても問題ないか」のほか、どの程度の修繕費を含めて資金計画を立てるべきか判断できます。
中古住宅を選ぶ際の注意点
中古住宅の建物の状態を確認したら、本格的に購入を検討する段階へ入ります。資金計画に余裕を持つことに加え、将来のライフプランや実際に入居した後の生活シーンを想像しましょう。
安心して長く住める住宅や街を見つけるために、中古住宅を選ぶときは、以下の2点も重視してください。
将来を見据えて間取りを選ぶ
間取りは、将来を見据えて考えましょう。スタイリッシュな家やナチュラル系の家、可愛らしい家など理想は人それぞれですが、家族構成やライフスタイルの変化を含めて家を選ぶべきです。
たとえば以下の点は、多くの方に当てはまるのではないでしょうか。
・家族構成の変化(子供の出産・親との同居)
・ライフスタイルの変化(出張や単身赴任の可能性)
・老後の生活(バリアフリーの取り入れ)
子供の問題ひとつとっても、一人っ子と複数では間取りの計画は異なります。二人兄弟や姉妹であれば、成長に合わせてパーテーションで2つに分けられる大部屋なども視野に入れたいところです。
海外出張や単身赴任が多い職業の場合、夫婦の部屋を同一とするか別々に分けるかも相談が必要ではないでしょうか。また、老後のために早いうちからバリアフリーの間取りを採用するか、将来のリフォームで取り入れるかも考えなければなりません。
現在の理想に加えて、将来もストレスのない家となるよう、長い目で間取りやデザインを考えることが大切です。
周辺環境の情報収集を行う
賃貸物件と異なり、簡単には引っ越すことのできない住宅購入は、周辺環境の念入りな下調べも重要です。まずは実際に住みたいと考えているエリアを、インターネットや雑誌上の情報だけではなく、自分自身の目で確かめましょう。
チェックポイントは、以下のとおりです。
・騒音問題はないか
・日照条件は良いか
・ゴミ収集場などは汚れていないか
・住民のマナーは良いか
・夜中の帰宅も問題なくできるか
近隣の線路や道路、施設など騒音問題の有無は重大です。建物の配置によっては日照条件も異なるため、昼と夜の両方で街の様子を確認することをおすすめします。
また、住民のマナーも軽視できません。ゴミ収集場が汚れていたり道路にポイ捨てされたゴミが散乱していたりする地域は、治安も良くない可能性があります。子どもが部活や塾で遅くなる日を想定して、街灯など、夜間の帰宅も問題なくできるかどうかも確認しましょう。
まとめ
中古住宅は上手に選ぶことで、良い立地と理想の周辺環境にある物件を手に入れられるため、人気を集めています。近年はリフォームの他にリノベーション技術も発達しており、住宅まるごと印象や間取りを変えることも難しくありません。
ただし、トラブルなく購入するためには、建物の状態や万が一のときの補償について細部まで確認しておくことが重要です。
こちらでご紹介したように、自己判断が難しい部分は専門知識を有する不動産会社などへ相談することをおすすめします。ハウスマーケットでも中古住宅の取り扱いをしているので、検討している方はぜひご相談ください。